Re Fort PROJECT 5 screening & talk / 上映会&下道基行トーク

かつてこの街でも戦争があった。

海の向こうの砲台跡から打ち上げられた花火。
皆既日食の昼空で、打ち上げ花火は見えるのだろうか?

アーティストの下道基行氏をお招きし、彼を中心に実施したRe Fort PROJECT 5のドキュメント映像DVDの上映会とアーティストトークを実施します。冷たいお酒をのみながら夏のひとときをのんびりと楽しみましょう。

日 時:2011年7月30日(土) 19:30 – 21:30
参加費:500円(1ドリンク付き)※スペシャルメニュー=山口の地酒
定 員:20名(先着順)
会 場:Midori Art Center (MAC) @ ホテル山上
ゲ ス ト:下道基行 (アーティスト / 写真家)
Re Fort Project 5 DVD絶賛発売中 2,000円

【お問合せ・お申し込み】
Midori Art Center (MAC)
〒030-0862 青森市古川3-16-9
midoriartcenter(at)gmail.com ←(at)を@に変更してください。

主催:Midori Art Center (MAC)
協力:ホテル山上、青森公立大学 国際芸術センター青森 (ACAC)
助成:青森学術文化振興財団、アサヒビール芸術文化財団

>>上映会フライヤーダウンロード(PDF/4.8MB)

【概要】
2009年の夏にアーティストの下道基行を中心に、関門海峡を挟んで対峙する山口県下関市と福岡県北九州市を舞台に実施したRe Fort PROJECT 5とはいったいなんだったのか。
今年の3月に東京は馬喰町の武蔵野美術大学が運営するギャラリーαMでのRe Fortアーカイブ展に合わせて、プロジェクトの際に参加者が撮影した映像を用いたドキュメントDVDを出版しました。ところが展覧会は東日本大震災の発生によりわずか1週間で閉鎖され、その関連イベントとして3月12日に企画されていてた下道×服部の対談も当然中止となりました。なんだかすごく中途半端なかたちになってしまったRe Fortについてもう一度ゆっくり考えてみようということで、今回青森MACにてRe Fort PROJECT 5の作品上映会と下道基行を招いてのアーティストトークを開催します。

下道基行は宅配ピザのバイト中に弾痕の残る巨大で無骨なコンクリートの構造物を発見し、それがかつて戦争のためにつくられた建物で、同じような建物が日本全国に多数存在しているということを知り、それらを「戦争のかたち」とよび、全国を旅しながらそれらをカメラで捉え、2005年に『戦争のかたち』という書籍をリトルモアから出版しました。これら「戦争のかたち」は長い年月を経て、私たちの生活する日常の風景に妙にしっくりくるかたちで埋め込まれていたり、あるいは周囲にものすごい違和感を醸しながらも新しい風景を生成したりしています。
近年これらの「戦争のかたち」がかつてあった戦争の歴史を伝えるモニュメントとして保存されつつあります。保存の対象となる場合、多くの遺構は広島の原爆ドームと同じように周囲を柵で囲われて、遠くから眺めるだけのモニュメントとして「保存」されます。一方であるものは住居として活用されていたり、動物園の猿山となっていたり、またあるものは公演の花壇となったりと、モニュメント化とは異なった「保存」や「活用」をされている遺構も多数存在します。また、海外ではアートセンターや娯楽施設として転用されているものもあるようで、実際に遺構の空間を内部から体験できるかたちで、積極的に「保存」されているものも多数存在します。

ざっくり述べると、Re Fort PROJECTは戦争遺構を独自の手法で再利用し再生するプロジェクトです。下道は2004年から、日本全国で放置されている戦争の遺構をスクウォットし、イベントを行ってきました。このような遺構の多くは過去に国(軍)が造ったもので、現在では建造物自体の権利が曖昧になっていることが多く、さらに建物自体の機能も完全に失われています。それらに一時的に新しい機能を与え、転用します。参加者はこれらの遺構に直接出会うことで、この国と戦争とが地続きであったことにリアリティを感じ、戦争との何らかの接点を持つことになります。ここ数年、戦争体験者が減少していくことを受けて、行政による遺構の見直しが始まっています。しかし、遺構を柵で囲み“平和公園化”や“モニュメント化”することは、むしろ遺構の持つ時間の流れを遮断し、歴史に遺構を埋没させていくことにもなるでしょう。Re Fortでは、保存対象にならないような遺構に対して、その都度さまざまなアーティストがそれに合わせた趣向で一時的にリノベーションを試みます。風景や歴史や遺構との向き合い方を考察する。

Re Fort PROJECT 5では、皆既日食が起こった2009年7月22日午前10時56分に北九州市の古城山砲台跡地から花火を打ち上げ、関門海峡を挟んだ対岸の下関市火の山公園砲台跡地を中心に、下関市内十数ヶ所から花火を鑑賞・撮影しました。そして参加者が撮影した映像を11台のモニターを用いたビデオインスタレーションとして再構築し、Maemachi Art Center (MAC)(=山口MAC)にて展覧会として約1ヶ月間公開しました。

今回上映するDVDは、参加者がそれぞれの地点で撮影した映像素材を用いてドキュメント映像作品として再構成したものです。

Re Fortを下道氏と一緒に山口MACを拠点につくりあげた経験は、実は現在の僕にとって非常におおきな起点となっています。公共機関ではないプライベートな団体だからこそできること、そして最大限に楽しむべき「遊び」としてのプロジェクトの発見。小さなモチベーションが共感を生み、関係者独自のネットワークが最大限に活用されるかたちで実現されるプロジェクトのあり方。そんな様々な可能性を見出し、青森でもMACを展開し活動していこうと思った原点がRe Fortにあります。

ということで、下道氏によるトークからスタートし、映像作品を上映し、ご参加いただくみなさまと一緒に色々お話が出来ればと思います。
わたしたちの多くは戦争を経験していないけれど、大地震が引き起こした千年に一度といわれる巨大津波と原発による大事故をいままさに体験しています。そんな状況において、すぐそばで何が起こっているのか、あるいは何ができるのか「想像してみること」は非常に重要だと思います。かつて存在した戦争について、または今我々のすぐそばで引き起こっている事態についてRe Fortを介して一緒に考え、山口のおいしいお酒を飲みながらのんびり語り合いましょう。

服部浩之(MAC主宰)

【アーティスト情報】
下道基行(SHITAMICHI Motoyuki)

1978年岡山生まれ。幼い頃は考古学者にあこがれていた。美術大学卒業後、日本全国をバイクで巡り、戦時中に建てられた機能を失った遺構の現在を風景と共に撮影し、2005年には写真集『戦争のかたち』(リトルモア)として発表。現在は、その続編となるアジアの国々を巡るシリーズ〈torii〉、そして祖父が趣味で描いた絵の在処を探していくシリーズ〈日曜画家〉などを制作。風景に埋没していく記憶や人の営みに着目し、写真や文章やインスタレーション等で作品を作っている。
http://m-shitamichi.com/
■略歴
1978 岡山県生まれ
2001 武蔵野美術大学造形学部油絵科卒業
2003 東京綜合写真専門学校研究科中退
■主な個展
2011 『bridge』、Gallery αM 、東京
2011 『Re-Fort Project Archive』、Gallery αM 、東京
2011 『Dusk/Dawn / おやすみのかなた』、Nap gallery、東京
2010 『日曜画家/Sunday Painter』、水戸芸術館クリテリオム79、茨城
2010 『RIDER HOUSE』、Midori Art Center (MAC) 、青森/Kajico、岡山
2009 『Air/空』、梅香堂、大阪
2008 『Fantomes』、エスパスジャポン、パリ
2008 『戦争のかたちーMémoires de guerreー』、エスパスジャポン、パリ
2007 『Pictures』、新宿眼科画廊、東京
2005 『戦いのかたち』、INAXギャラリー2、東京
■主なグループ展
2011 『TOKYO STORY 2010』、Tokyo Wonder Site Shibuya、東京
2011 《Sunday Creators》、『絶滅危惧・風景』、Beaker project、大阪近代美術館準備室、大阪
2010 『共鳴する美術』、倉敷市立美術館、岡山
2010 『岡山美の回廊』、岡山県立美術館、岡山
2009 『ATOMIC SUNSHINE』、沖縄県立博物館・美術館、沖縄
2008 『VOCA展』、上野の森美術館、東京
2007 『金庫室のゲルトシャイサー』展、旧日本銀行広島支店、広島
2006 『Re-Fort Project』展、中崎透遊戯室、東京
■ワークショップ
2010 『見えない風景』、国立国際美術館、大阪
2010 『HOME-MADE STORY』、明治大学、東京
2009 『HOME-MADE STORY』、秋吉台国際芸術村、山口
■アーティスト・イン・レジデンス
2007-2008 Cite International des Arts (1年間滞在)、パリ、フランス
2010-2011 Tokyo wonder site Aoyama (1年間滞在)、東京

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